旧暦、水無月二十七日。風もあり、気持ちの良い夏の日でした。

yatsugatake2005-08-01

今日8月1日は、佐久地方ではお墓掃除・お墓参りが恒例になっています。
なぜ今日行われるか、それは、「戌の満水」と呼ばれる寛保二(1742)年の大洪水の犠牲者供養から始まっているというのが、定説になっています。
作家、井出孫六氏の講演によれば、「〜何千という死者への慰霊が、その意味では忘れられながら、今もって墓参という形で千曲川の地に残っているのです。寛保二年は、ちょうど江戸時代二百七十年の中間、繁栄した平和な時代でした。それゆえ「戌の満水」は、自然の教訓として人々の心に深く刻まれたのではないでしょうか。〜」
日付は、もちろん旧暦です。「月遅れ」で換算すると、9月1日。まさに台風の雨が、四日間降り続いて、千曲川が一日の深夜に氾濫したのです。
この事実は忘れられがちですが、覚えやすい8月1日には、毎年お墓掃除とお墓参りは申し合わせたように続けられています。
午前中は、朝から曇り勝ち風も吹いて、気持ちよく過ごせました。それでも、午後2時には29.5度の最高気温を記録しました。
庭を見ると、ある花に目が止まりました。ハゼランという名の、スベリヒュ科の植物です。この花の変わっている面白いことは、午後3時頃に咲き始めるという、スロースターターなのです。そこで、俗に、「三時草(サンジソウ)」とも呼ばれるのです。羊の刻(午後1〜3時)に咲くという「ヒツジグサ」と同様な名前の付け方です。
暗紫色に熟して光る果実も美しいです。コーラルフラワー(珊瑚色の花)と呼ばれるのも、そのためです。
ハゼランの繁殖力は、すこぶる旺盛です。スベリヒュと同様、丸い実の中に種子がびっしりとできて、ばら撒かれるからです。
花も実も小さく、全体に広がっているので、ピントの合わせようが無く写真に撮りにくい対象ですが、何とか撮れました。