文月七日。曇り、夜に雨となりました。

yatsugatake2005-08-11

ここ数年来、毎年。黄色のミニトマトを作ることにしています。
それは、宮澤賢治の童話「黄いろのトマト」が、発端になったのです。
童話の主題、「かあいさうな兄妹、ペンペルとネリのお話」の時代背景や状況を、しっかり思い起こしたい…。黄色のトマトの実物を目の前に見て味わうことで、そのきっかけになればと願って、毎年、作っているのです。
今年は手がよく入ったので、黄色のミニトマトは大豊作です。昨日の「賢治を読む会」に持参しました。毎年のことなので、皆さんは趣旨を承知してしています。兄妹の気持ちを思いながら、味わったことでした。
童話のあらすじを少し書きます。〜二人は、畑のトマトに付いた珍しい黄色の実を黄金と思って大切にしていた。ある日二人は魅惑的な音を追って行き、サーカスに出会う。
木戸口で硬貨を渡して入場する人を真似て、黄いろのトマトを渡したが、拒絶され、トマトを投げつけられる。兄妹は泣きながら帰る。〜
蜂雀が語る、かあいさうなお話に、「私」も涙を流したという…。
入れ子」の悲しいお話が、何人かの語りによって明らかにされて、読者もいつの間にか、涙を流してしまう。
宮澤賢治がトマトやキャベツなどの西洋野菜を作ったことは有名ですが、賢治と親交のあった人物が斉藤宗次郎がいる。デクノボーのモデルともされている、宗次郎が、苺やトマトを作ったことも興味深いことです。
今夜は、旧暦の「七夕」です。残念ながら雨降りのために、お月様もお星様もお預けです。
天気が安定して、早く夏の宵の夜空を仰ぎ見たいものです。