文月十二日。照ったり降ったりで、気温は上がりませんでした。

yatsugatake2005-08-16

人はよく言ったものです。「お盆が過ぎる頃には、涼風が吹くようになる…」
朝、赤とんぼ(正しい種名は知りません)が、ノアザミの蕾につかまってじっとしていました。体が冷えているのか、なかなか逃げなかったので、写真に撮ることができました。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(藤原敏行
秋のそよ風が吹きます。確かに、ひところの暑さは影を潜めました。
送り盆を済ませて、静かにお茶などをいただいていると、なぜか季節の移ろいが感じられて、一抹の寂しさが体を包みます。
田んぼへ行けば、エンマコオロギが「コロコロリー…」と、最高の歌を、高原の藪の中からは、キリギリスが「チョンギー、チョンギー…」と、力強い歌を聞かせてくれます。
日暮れに、ヒグラシが「カナカナ…」と高く美しい声で鳴きます。これを聞くと、今日一日の無事に感謝せずにはいられません。
今夜も、厚い雲の間に、お月様が時々顔を見せてくれました。
そして、外の虫の音に耳を傾けると、ツヅレサセコオロギが単調なリズムで鳴いていることに気付きました。