文月二十六日。快晴、そして曇り、雨になりました。

yatsugatake2005-08-30

昨日に続いて、「さいかち淵」に関して書きます。
ゆかりの地に、文学碑が建てられています。場所は、さいかち淵に行く小径の入口にあたる花巻市神町です。(画像が、文学碑とその建立場所の様子です。)
昨年、春のセミナーで案内されました。そのときは、さいかち淵その場所でないことが、理解できませんでした。しかし、その疑問は、建立の趣旨と碑文(童話の一節)を読むことによって解けました。
つまり、地域の開発が進むにつれて、宮澤賢治作品「さいかち淵」の情景が消えていくことを惜しんで、石神町開町二十周年を記念して建てられたのです。
それと、碑文「…蝉が雨の降るやうに鳴いてゐるいつもの松林を通って…」の、松林に通じる小径の入口にあたる場所なのです。
このような理由で、文学碑の建立場所が決まることがあるんだなと、改めて、感心しました。
また、『宮沢賢治学会イーハトーブセンター会報』(1990年・創刊号)に目を通していて、さいかち淵について書かれた文に、偶然に気付きました。
イーハトーブセンター設立、理事挨拶として、吉見正信氏が書いていました。引用します。
賢治童話「さいかち淵」は、「さいかち淵なら、ほんたうにおもしろい。しゅっこだって毎日行く。」と書き出されています。
いまその場所は住宅地となってしまいましたが、さいかち淵はたしかにそんなところでした。
市民学会としての宮沢賢治学会イーハトーブセンターができましたけど、それがみんなの「さいかち淵」みたいなものとなっていったらいいと思っています。
偶然とはいえ、「さいかち淵・サイカチ」が取り持つご縁が、今回のセミナーでA氏とT氏に再会することで実現しました。本当に懐かしく嬉しく思いました。
これからずっと、芽生えたサイカチを大切に育てていきます。