待望の「リンドウ(竜胆)」が、咲きました。

蕾が硬い「リンドウ(竜胆)」。(23

今日は、旧暦の「八月二十八日」。一月(ひとつき)の終わりに、細い細いお月さまを観望するチャンスです。ただし、日の出前でないと観えません。相対的に太陽に近いので、太陽が出てからは眩しいのです。
月の出時刻は2:44(長野)なので、1時間後の3時50分にアラームをかけました。目覚めるとラッキー…、東の空は晴れていて、すでにお月さまが昇っていました。
細い細いお月さまを、早速に、カメラに納めました。3:56。

寝床に戻ると、ラジオで、「五木寛之:うたの旅人第六回 岩手県」が流れていました。
しばらく聴いてから、4:22,改めてお月さまを撮りました。
画像は、15日(木)、Fm放送でお話した朝の「リンドウの蕾の様子」です。それ以来、1週間後ころから「リンドウ(竜胆)」の蕾が膨らみ色づき始めました。
そして今日、開花の様子を観ることができました。午前中は曇りがちだったので、午後にまでずれ込みましたが…。

こっれは在来種のリンドウ(竜胆)で、昔は近くの野山に見られたものです。しかし、近年はめっきり姿を消してしまいました。
このリンドウは、小諸のおばあちゃんの家からいただいた株を育てているものです。
『長野県植物誌』には、カッコ付けで「ツクシリンドウ」と、あります。
また、『佐久の薬草』には、「サリンドウ」とあります。笹のような葉の形が特徴だからです。

このリンドウ種の特徴は、花弁がしっかりと開きます。
(エゾリンドウ、オヤマリンドウの場合は、開花しても半開き状態です。)
リンドウ種の花弁は5裂し、間に小裂片が認められます。
花弁は藍青色で、鐘状の花の内側は淡黄色です。

宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」で、「りんだう」を詳しく叙述しています。
一部を引用します。
 ごとごとごとごと、その小さなきれいな汽車は、そらのすすきの風にひるがへる中を、天の川の水や、三角標の青じろい微光の中をどこまでもどこまでも走って行くのでした。
 「あありんだうの花が咲いてゐる。もうすっかり秋だねえ。」カムパネルラが窓の外を指さして云ひました。
 線路のへりになったみじかい芝草の中に、月長石ででも刻まれたやうな、すばらしい紫のりんだうの花が咲いてゐました。
 「ぼく、飛び下りて、あいつをとって、また飛び乗ってみせようか。」ジョバンニは胸を踊らせて云ひました。
 「もうだめだ。あんなうしろへ行ってしまったから。」
 カムパネルラが、さう云ってしまふかしまはないうちに次のりんだうの花がいっぱいに光って過ぎて行きました。

 と思ったら、もう次から次から、たくさんのきいろな底をもったりんだうの花のコップが、湧くやうに、雨のやうに、眼の前を通り、三角標の列は、けむるやうに燃えるやうに、いよいよ光って立ったのです。
 これから晩秋に向けて、次々に咲くリンドウ(竜胆)が楽しみです。