旧暦、師走二十六日。お月様は一層細く、空に溶け込むようでした。

yatsugatake2005-02-05

今朝は冬晴れ、お月様を探すのに難渋しました。見当をつけて見回すことしばし、すっかり細く淡く頼りなげなお月様が見えた時はほっとしました。
庭先の根雪に日が差して、表面のザラメ状の雪がキラキラと輝きました。表面を小鳥が渡った足跡がついています。試しに、そっと足を乗せてみました。沈みません。人間の大人でも渡れるようです。
雪の多い地方に、通称「しみわたり」という言葉があります。漢字では、「凍み渡り」
でしょう。日差しが強くなってくる二月から三月、前の日に、表面がシャーベット状に融けた雪が、夜間に硬く凍った状態です。この上を、沈まずに歩いて渡れるというわけです。
雪の多い北信に生まれた私たち子ども仲間は、登校の途中に遊びました。
田んぼ一面の雪上を、歩いて近道をしようというわけです。でも、「そうは問屋が卸しません。」ズボッと、足を踏み抜いてしまうのです。惨めなことこの上、ありません。
あちこちから、悲鳴や笑い声が聞こえます。こうしてしばらく遊んでから、もと来た道に戻るのでした。
雪の表面をよく観察し、足の触感で耐えられる強度を確かめながら、これこそまさに、体験的に学ぶということでしょう。子どもの頃の懐かしい思い出です。
「しみわたり」でなく、「かんじきわたる」と、言っていたと記憶しています。
今日はだいぶ光が強くなってきたことが実感されました。しかし、寒風が吹きすさんだ一日でした。