「ヤブラン(藪蘭)」がひっそりと咲いています。

yatsugatake2006-09-06

季節が秋に変ったことを実感させる一日でした。
隣の家では、早くも植木の手入れが始まり、チョキチョキと軽快な音が聞こえてきます。フェンスあたりに目をやると、画像のヤブラン(藪蘭)」が咲き始めていました。
「おや、もう咲いてるの?」毎年、ひっそりと咲く控えめな花なのです。
蘭といっても、ユリ科草本です。春蘭のような細い葉と薄紫の可愛い花が高貴な蘭を思わせる、蘭に匹敵する美しさからでしょう。よく観ると、内花被と外花被が描く3枚、小さな小さなユリの花が穂になって着いています。
山室静先生が好きな花、『老いの気晴らし』に、次のような記述があります。
〜これも大好きなヤブランが、薄紫色の穂を庭のあちこち四、五十本もたげかけている。秋の花は、鮮やかな色のものでも、みなどこかその色が深く沈んで、心を幽かなところへ誘っていくのがうれしい。〜
文学者の言葉に、自分もそのような気分にさせられます。
午後、雲が重く垂れて、夜にはまとまった雨になりました。
残念、期待していた旧暦閏七月十四日の「宵待ち月」は、顔を出してくれませんでした。