新暦、1月末日。旧暦、師走二十二日。

yatsugatake2005-01-31

起きてみると、冬晴れの朝でした。昨日と同じように、昨夜の残月をじっくり観察できました。大屋根のテレビアンテナとのショットは、私のお気に入りです。
ここ2、3日は、朝は冬晴れ、午後は曇るというパターンが続いています。
佐久地方の冬晴れは、実にすばらしいものです。
今朝の読売新聞のコラム「四季」に、佐久市出身の俳人、相馬遷子の句が紹介されました。死の間際まで病室の窓から見えた信州の冬の青空。と、長谷川櫂による解説があります。「冬麗の微塵となりて去らんとす。」
なお、この句の「微塵」から私は、宮澤賢治の『農民芸術概論綱要』の中、「微塵」を
含む言葉が思い出されます。
「まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう」
あるホームページに、大岡信:「折々の歌」に載ったこの歌の紹介記事がありました。
『山河』所収。水原秋桜子門で師と同様医師だった。これは重病の床で死を真近に見つめていた晩年の作。晴れ渡った冬の麗らかな日、大空に満ちて光そのものと化している塵。その微塵とわが身をなして、私はこの世を去ってゆくのだと。「冬麗の微塵となりて」が、言いようもなく澄んで明るい。辞世の心をよんだ句では最上のものの一つだろう。
「雪嶺の光や風をつらぬきて」という遷子の代表句も思い出されます。
午後は、今日もやっぱり曇り空になりました。最強の寒気が入り込んでいるとか。日本海側の大雪が心配です。