旧暦、水無月十四日。日照少なく、意外に涼しい日でした。

yatsugatake2005-07-19

昨夜来の霧がかかった朝でした。
梅雨明け宣言の翌朝としては、拍子抜けの感じでした。
植物たちも、まだ宵が続いていると錯覚しているようでした。
オオマツヨイグサの花が、しぼむことなくほんのりと4枚の花びらを開いたままでいます。
うちのオオマツヨイグサは、しばらく前から咲き始めています。「月見草」「待宵草」「宵待ち草」と、名前も夏の宵にピッタリの花ということで、いよいよ出番になりました。花びらが音を立てて開くとか、夏の夜の風物詩です。
このような、情緒的な反面、オオマツヨイグサと聞くと、はるか学生時代に戻ります。それは、生物学の上で忘れられない事柄があるからです。
4裂した雌しべ、糸を引いて花粉を垂らす雄しべ、これは優雅を超えて凄みを感じます。顕微鏡で、花粉を見たときの感動も忘れられません。オランダの植物学者、ド・フリースがオオマツヨイグサの雑種を研究、突然変異説を提唱したり、メンデルの遺伝法則を再発見したりしたことでも有名です。遺伝学の研究材料になったのは、それだけマツヨイグサの仲間には変異が多いということです。
今、オオマツヨイグサは山の奥に追いやられています。帰化植物のメマツヨイグサやアレチマツヨイグサが繁殖力が旺盛だからです。うちでも、数年前からはオオマツヨイグサを栽培して楽しんでいます。
オオマツヨイグサの花に秘められたロマンと、いえるでしょう。
今宵は、満月間近の大きなお月様の月明かりのもと、オオマツヨイグサが精一杯に花びらを開いています。