文月八日。真夏には珍しく、雨降りの一日でした。

yatsugatake2005-08-12

8月12日といえば、お盆の「お花市」と、日航ジャンボ機の墜落事故の日です。
20年前の出来事を決して忘れることはできません。群馬県上野村御巣鷹の峰は、この地から20キロほどしか離れていないのです。
この日はお盆の前日です。この地には、「盆花」を山に採りに行く慣わしがあります。私たちは午後になってから、暑さ凌ぎも兼ねて群馬県境の山に出かけました。有料の林道を車を走らせ、ときどき停めては花を探しました。それほど期待もしていなかったとおり、キキョウやオミナエシはおろか、ワレモコウだってありません。にわかに開発された山の車道には、帰化植物と思われるキク科の黄色の花しか見あたりませんでした。
遠くで雷鳴が一つ聞こえたと、妻が話しました。静かなお盆の前日でした。
家に戻ってしばらくして、JAL123便が消息を絶ったというのです。レーダーから機影が消えるに及んで大騒ぎになりました。
当初は、南佐久郡北相木村の御座山(おぐらさん)2,112メートルに墜落か?と報道されて驚きました。翌日、発見された御巣鷹の峰1,639メートルとは、7〜8キロしか離れていませんでした。道もない山奥の奥に、6時56分壮絶な墜落をしたのでした。
その後の報道によって、伊豆半島上空で、垂直尾翼などが破損して操縦不能になってから、長い時間、機体をダッチロールさせながら迷走を繰り返していたことを知りました。
乗客の皆さん方の恐怖は、いかばかりだったでしょう。極限状態の中で、家族宛にメモ書きした遺書。その時の有様は想像を絶します。さぞかし無念だったことでしょう。乗務員たちの決死の努力は、とても筆舌に尽せません。
20年の節目ということで、昨日あたりから盛んに新聞・テレビで報道されました。
壮絶な最期を遂げられた520人もの人たちの御霊を無駄にしてはなりません。
このごろ、航空事故がちらほら聞かれます。この事故を風化させてはいけないと、強く思いました。御巣鷹の峰の方向に合掌し、心からご冥福をお祈りします。
お盆の時期になると、必ずうちの庭で咲く花があります。
それはギボウシの花です。今年も忘れずに咲いてくれました。