文月二十三日(下弦)。花巻も、すでに秋でした。

yatsugatake2005-08-27

数年前NHKBS2で、映像「朗読紀行」という50分間の番組がありました。
黒沢清監督の映像によって、相乗効果をねらったものでした。
確か、総合テレビでも宣伝放映があって、宮澤賢治:「風の又三郎」を、小泉今日子が読み手で朗読したことを、覚えていました。当時、家ではBSが受像できませんでした。
今回、セミナー「風の又三郎」の謎に迫るに参加して、映像とトークを視聴することができました。
番組DVDを視聴した後、黒沢清監督が演出の意図や映像の効果などを、率直に語られました。ホテルの廃屋や遊園地、読み手の表情・アングルなどです。
有名な冒頭部分、どっどど どどうど どどうど どどう、の読みの区切り方も話題になりました。皆さんが知っている読み方とは明らかに違うのです。当時の宣伝放映のとき、私もオヤッと感じました。お話を聞いてみると、効果的なのかなと納得しました。
映画「明るい未来」の部分上映も視聴しました。藤竜也が車を運転しながら歌う、宮澤賢治の「星めぐりの歌」が効果的でした。
夜、ぶらりと外を散歩しました。月明かりの無い夜はその分、星空や夜景がきれいでした。
西の空に明るい惑星が二つ、金星と木星とが並んで輝いて見えました。
『星空ガイド』によると、9月1日に、金星(−4.0等)と木星(−1.7等)が並びます。近くに乙女座のスピカも見えます。見ものです。
道路沿いに、鉄道線路の高架壁面を利用したライトアップが、目に飛び込んできました。
ルミライトカラーという、ブラックライトシアターのような仕掛けです。賢治の神秘的、幻想的な宇宙空間をイメージした「未来都市銀河地球鉄道」が、見事に蛍光を発していました。
虫の音も聞こえてきました。エンマコオロギの美声のほかに、なんとカンタン(邯鄲)が、リュリュリュリュリュリュ…と、物静かにやや寂しげに鳴いていました。