葉月十八日。日照少なく24.4度にしか上がりませんでした。

yatsugatake2005-09-21

今日は宮澤賢治の命日、没後72年です。
画像は、賢治が稲作の指導者として奨励していた「陸羽132号」の稲穂です。今年も、休耕田の池やバケツで標本的に育て、立派に稔ったものです。
当時、水田の7割ほども作付けされた品種です。子どものころ、佐久地方でも農林17号(東北)とともに作付けされていた記憶があります。現在の人気ブランド、コシヒカリや、ササニシキあきたこまち、ひとめぼれなどのもとになっているそうです。
今では、岩手県花巻地方を中心に懐かしい味「賢治米」として、お土産など限定販売されています。
その年、稗貫郡の稲は久しぶりの大豊作。花巻は鳥谷ヶ崎神社の大祭が17日から始まり、大賑わいでした。賢治は、連日お御輿や山車を嬉しげに眺めていました。祭礼三日目(最終日)も、お御輿を見送ったあと、賢治は爽やかな秋晴れをよろこんで歌を書きました。
方十里 稗貫のみかも 稲熟れて み祭三日 そらはれわたる
病(いたつき)の ゆゑにもくちん いのちなり みのりに棄てば うれしからまし
二日後の21日に亡くなり、この二首が絶筆となったのでした。
二首目の「みのり」は、「稔り」と「御法」を意味しているといいます。
秋、稲の収穫時期になると、このことを思い出さずにはいられません。
夜になって、冷たい雨が降りました。今夜も、「居待ち月」は無理なようです。