賢治を読む会・3月例会、「革トランク」を読む。

融けずに残っている、昨夕の「霰(あら

今朝は真冬並みに冷え込み、意外でした。
アメダス、最低気温は氷点下9.2度(6:30)、風速は「静穏」…。
やはり、「放射冷却」の効果と分かりました。
昨夕に降った「霰(あられ)」は、融けずに大粒のままで残っています。
鉢植えの「リギダ松」の葉間にも、挟まっています。

今日は、賢治を読む会・3月例会です。
話題は、昨日のEテレ・「100分de名著」の放送


暦の話は、旧暦二月・如月(きさらぎ)は、俗説の「着更着(きさらぎ)」の話で始まりました。
続いて、芭蕉の句:啓蟄蚯蚓の紅もすきとほる」を紹介、厳寒の佐久地方ではこうはいかないですが…。
季節の花は、「マンサク(満作・万作)、花びらに縮れの有るもの無いもの…、観察の楽しさを話しました。
下の写真は、「ひろば」に植栽されている、花びらに縮れの無いタイプです。
スッキリしていますね。

『月と季節の暦』(制作:志賀勝)から、月の瞑想:清少納言(『枕草子』)を紹介。
月は、有明の東(ひんがし)の山ぎはに、細くて出づるほど、いとあはれなり。(二三四段)
月のいとあかきに、川をわたれば、牛のあゆむまゝに、水晶などのわれたるやうに水のちりたるこそをかしけれ。(二一五段)
下の写真は、早朝の細い月、「正月二十八日の月」(29.2.24)(5:52)
まさに、「いとあはれなり…」を実感しますね。

東日本大震災・6周年を前に参加者全員で、復興支援ソング・「花は咲く」を斉唱しました。
先日、図書館にリクエストした新着本・『雨ニモマケズ』外国人記者が伝えた東日本大震災(えにし書房)を紹介しました。
まえがきに、ロジャー・プルバースが英訳した「Strong in the rain」で、宮沢賢治の作品を読み始めたことが書かれています。
テキストは、『宮沢賢治全集 6』の「革トランク」を輪読しました。
〜主人公平太の顛末は、同じようにトランクに童話をいっぱい詰めて、妹病気の報に帰郷した賢治自身のカリカチュアであるーというふうによむことはもとより不可能ではないが、これにとらわれすぎると、この作品をあまりに一面的に深読みすることになろう。これはもっと単純で平凡な、悲しい男の話なのである。天沢退二郎氏の解説、『宮沢賢治の全童話を読む』(山根知子)の解説をもとに、感想を出し合いました。
宮澤賢治語彙辞典』(原 子朗)、「トランク」の項で、賢治のトランクは、革製でなく茶色のズックの大トランクだった…の解説に、一同びっくり…。
また、参会者が持参していた、『宮沢賢治学会 イーハトーブセンター 会報 第42号』から、定期大会リレー講演、花巻・賢治を読む会 山田 幸子 ・ 三田 照子を紹介しました。本文から、一部を引用します。
〜最初の作品は「革トランク」でした。平太が階段も廊下もない教室の設計図を描くところからはじまるこの童話は、軽妙なユーモアに溢れていて、私の賢治作品のイメージを一転させました。しかも上京して最も苦しいときの作品です。(以下略)
今日読んだ作品が、同じ「革トランク」であったことからの、紹介でした。
自宅に帰って、本棚から取り出した「第42号・シグナル」は、なんと偶然にも、6年前の二〇一一年四月三十日発行でした。
夕方、空には雲が広がり、月は見えません。
しばらくして、雲が切れると「二月十一日」のお月さまが、東の空高くかかりました。(18:17)

アメダス、最高気温は4.7度(16:10)でした。
朝の朝も、冷え込む予報です。