「スズラン(鈴蘭)」の実が赤く熟しました。

yatsugatake2006-09-24

今年は、スズランの実が豊作のようです。画像のように鈴生りです。
いつもの年には、こんなに目がつきませんでした。気候が良かったんでしょうか。
スズランの実については、宮澤賢治の童話に登場します。
貝の火」から、一部引用します。
次の日ホモイは、お母さんに云ひつけられて笊を持って野原に出て、鈴蘭の実を集めながらひとりごとを云ひました。「ふん、大将が鈴蘭の実を集めるなんてをかしいや。誰かに見つけられたらきっと笑はれるばかりだ。狐が来るといゝがなあ。」
〜「むぐら、むぐら、むぐらもち、お前は僕の偉くなったことを知ってるかい。」〜「ホモイさんでいらっしゃいますか。よく存じて居ります。」
ホモイは大威張りで云ひました。「さうか。そんならいゝがね。僕、お前を軍曹にするよ。その代り少し働いて呉れないかい。」むぐらはびくびくして尋ねました。「へいどんなことでございますか。」
ホモイがいきなり 「鈴蘭の実を集めておくれ。」と云ひました。
むぐらは土の中で冷や汗をたらして頭をかきながら、「さあ誠に恐れ入りますが私は明るい所の仕事は一向無調法でございます。」と云ひました。ホモイは怒ってしまって、〜

「葡萄水」に、
「一昨日(をどでな)、みぃぞれ降ったれば すゞらんの実ぃ、みんな赤ぐなて、雪の支度のしろうさぎぁ、きいらりきいらど歯ぁみがぐ。」
野原のスズランの実が、目に浮かんできます。