「銀河鉄道の夜」を読み始めました。

「賢治を読む会」、今年初の例会です。いつものように、「旧暦」から始めました。
旧暦十二月は、今年最後の月の巡りです。ご存知のように「師走」と呼ばれますが、別に、「臘月(ろうげつ)」の呼び名もあります。
「臘祭」が行われる月の意味だそうです。
辞書によれば、年末の祭礼。その年に生じた百物を並べ集め、ひとまとめにまつって年を送る祭り。と、あります。
この祭りから、古人の過ぎし一年への感謝の気持ちが、改めて理解されます。
今回から5回に分けて、名作、「銀河鉄道の夜を読み始めました。
画像は、銀河鉄道のモデルとされる「岩手軽便鉄道です。『Newton別冊』、『別冊太陽』などからいただきました。

昭和18年当時、北上川の「イギリス海岸」に程近い、瀬川鉄橋を走る岩手軽便鉄道と説明があります。
気がついてみると、さっきから、ごと、ごと、ごと、ごと、
ジョバンニの乗ってゐる小さな列車が走りつづけてゐたのでした。
ほんたうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、
窓から外を見ながら座ってゐたのです。

一昨年8月に、「瀬川鉄橋跡地」を訪れました。
今は、跡地を示す「標」があるだけですが、その昔の雰囲気は感じられました。
同じ写真がはめ込まれ、「イーハトーボ農学校の春」の一節が刻まれています。
〜こっちの崖はあんまり急ですからやっぱり女学校の裏をまはって楊の木のあるとこの坂をおりて行きませう。
この文からも、この辺りの様子が読み取れます。
賢治さんは、この鉄橋を渡る軽便鉄道を…、星空を…何度も眺めたことでしょう。
孤独なジョバンニは、愛する友と、「銀河鉄道」に乗ってどこまでも行きたい…。
じっくり、読み味わっていきます。

今日は、旧暦十二月二日。
久しぶりに「二日月」が見れるだろうと期待していました。
月の入り時刻が、17:24です。
その30分前までぎりぎり待ちましたが、残念、夕焼け雲に溶け込んでしまいました。(16:44)
明日の「三日月」に、期待が高まります。