春霞が次第に晴れて、穏やかな日になりました。

yatsugatake2006-03-07

今日も朝から一日中、野鳥たちが餌を漁りに訪れました。
画像は、横から見たムクドリの姿です。尾がもうすこし長ければ、格好がいいんですが…。
ムクドリ②…方言(地方名)、「もず」
佐久地方でも、この方言で呼ばれることを知ったときはびっくりしました。
もっとも、現在ではほんの一部の年配者に限られますが…
宮澤賢治の作品にも登場してきます。正式な名前の「ムクドリ」が登場しないのが不思議なほどです。
『賢治鳥類学』や『宮澤賢治鳥の世界』から、一部引用しながら紹介します。
「もずが、まるで千疋ばかりも飛びたって、野原をずうっと向ふへかけて行くやうに見えましたが、今度も又、俄かに一本の楊の木に落ちてしまひました。」(童話「鳥をとるやなぎ」)
この叙述からは、野鳥にさほど詳しくなくとも、「もず}が猛禽の「モズ」でないことは明らかです。「ムクドリ」の習性そのものです。
両著ともに、「もず」は「ムクドリ」であることを明言しています。
「〜宮澤賢治の百舌やもずは、すべてモズではなくムクドリなのだ。〜」
「〜ムクドリは農耕地の鳥である。〜春には、耕運機の後ろについてまわって、掘り出された虫をついばんでいる姿が見られる。〜」「空飛ぶ三角定規と呼ばれ、スズメよりずっと大きく、全体に黒っぽい。よく見ると嘴と足がオレンジ色で、顔が白く汚れた感じで意地の悪い顔つきである。ふだんはありふれていて人気はないが…(以下略)」
「モズ」が物まねをするために、「百舌(もず)」と呼ばれたように、「ムクドリ」も物まねをすることから、「百舌(もず)」と呼ばれたらしいです。
なお、「くろもじ(黒百舌)」や「どろもじ(泥百舌)」のありがたくない地方名もあったというから、おどろきです。
地方名がこれほどたくさんあったということは、昔の人たちが野鳥との関わりが多かったことを示しています。改めて感心したことでした。
ムクドリの春の繁殖期の鳴き声、物まねの声があるかをしっかり聴きたいものです。


今日は、「上弦の月」。半月より少し膨らんだお月様が空高くに見えました。