二百十日。「高田三郎」は「タカサブロウ」がモデル?

yatsugatake2006-09-01

水田雑草に、キク科の「タカサブロウ(高三郎)」があります。
休耕田にも、白い花が咲き始めました。地味で小さな花はそれほど目立ちません。
この「タカサブロウ」について、『宮沢賢治学会・会報32号』に、栗飯原幸子さん投稿の興味深い文章がありました。「風の又三郎」に登場する転校生の名は「高田三郎」です。賢治は、植物の「タカサブロウ」をモデルとしたのだろというのです。一部引用します。
〜昔、貧しい高三郎という人が、この草の茎を使って紙に文字を書き勉強をしたという説話がある。この草の茎を切ってしばらく置くと、酸化して切り口が黒ずむ。それで文字が書けるのだ。だから、墨斗草(ぼくとそう)の別名もある。タカサブロウにまつわる、こういう話はいかにも賢治好みではないだろうか。賢治は、タカサブロウを念頭において高田三郎の名前をつけたのだと思う。「中国では花びらが落ちて、萼の残ったところが、ハスの花のように見えるため旱蓮草(かんれんそう)とも呼ばれる。〜賢治はタカサブロウを、熟知していたに違いない。(以下略)高田三郎の名は、タカサブロウがモデルだったと考えたい。
この説話を知りませんでした。早速、切り口の汁を紙になすりつけてみました。確かに、黒ずみました。切り口も見事に黒くなりました。
なるほどなー、感心しました。
午前から6ミリの雨、秋のお天気でした。夕方には晴れて、「上弦」のお月様が輝きました。