「早池峰山」の頂上は、麓の大迫から見えませんでした。

真夏の「稗貫川」(20.8.3)

夏季特設セミナーの二日目、大迫(おおはさま)バスツアーです。
花巻駅近くのホテル、東北本線の貨物列車通過で目覚めました。残念、曇り空では岩手山など遠くの山は見えません…。
花巻駅前から、イーハトーブ館、新花巻駅と、順に参加者を乗せながら、大迫の交流活性化センターに集合しました。
ここまでの車窓から、山手に入ると耕作放棄水田が多く目に入りました。土手には、「オオハンゴンソウ(大反魂草)」の黄色い花が群生していました。
画像は、真夏の「稗貫川」、早池峰山が源で画面の奥に見えるはずですが…。本山は、雲に隠れています。
鮎の友釣りが涼しさを呼びます。
ツアーを主催した早池峰賢治の会」の皆さんが、案内をしてくださいました。
まず、「風の又三郎」の舞台となった学校、そのモデルであるとされる「火(旭)の又分教場跡」…。
建物はありませんが、その地に立つと確かに、情景が目に浮かびます。 「谷川の岸に小さな学校がありました。教室はたった一つでしたが…」
大迫は、気候と土性とがフランスのボルドーと似ているとのことで、ワイン葡萄の栽培が盛んです。上部だけていねいにビニールカバーで覆われています。ハヤチネウスユキソウが、エーデルワイスの花と似ていることから、「エーデルワイン」の名で売り出されています。交流会の宴席でいただいて、お味は証明されました。
猫山の麓、合石まで登りました。ここから、私有地で入山できません。
以前は、草原だった山です。「草の種類は何ですか?」、尋ねると、「萱(かや)」つまり萱葺き屋根用の材料となるのです。太くて立派な物を育てるために、皆で協力して「山焼き」もしたそうです。「結(ゆい)」の文化があったわけです。馬の飼料用に、「萩(はぎ)」採集のための山もあったそうです。
また、猫山の山腹では明治年間にモリブデンという珍しい鉱石を採掘しています。しかし、当時は需要がなかったため、やがて採掘を断念しています。この経緯は、「風の又三郎」で主人公高田三郎の父がモリブデン鉱を掘るためにやってきますが、採掘を断念して再び去っていくというストーリーと大変よく似ています。〜(資料参照)
崖に、「ヤマユリが清楚な姿を見せてくれました。

バスの車窓から「たばこ畑」も、ちらほら見えました。

風の又三郎」の中で、高田三郎が摘んでしまった煙草の葉です。専売局では、葉の枚数を一枚一枚数えて、帖面に付けてある…。と、脅かされる件を髣髴させます。
土性調査の賢治が投宿した「石川旅館」跡、「花月亭」、交流のあった菅原隆太郎校長の家跡(水害で流失)などを見学して有意義でした。
解散後は、「花巻市博物館」を見学して夕方の新幹線で戻りました。

仙台あたりを通過中の車窓から、赤い夕日が見えました。