Fm放送で、「ナス(茄子)」を話す。

「精霊馬」

NHKラジオ「毎朝だより」、沖縄からの報告です。
耳を傾けていると、今日は、旧暦七月十四日・「お盆の中日」
で、「エイサー」は、精霊送りの盆踊りとか…。
なるほどなーと感心するとともに、ご先祖様を敬うことの大切さを思いました。
精霊送りと言えば、「精霊馬」…。
今日、8月のFm放送で「茄子」を話題にしたことは、グッドタイミングでした。


夏野菜の王様、「ナス(茄子)」
(1)インド原産の1年草・野菜
我が国経は中国から渡来した。
正倉院文書(750)』にすでに載っている。
江戸時代には各種の在来品があったと記録がある。
元禄時代、江戸砂川で産する促成栽培ナスが、1個1両で取引された。
(2)各地に残る、伝統品種・在来種
南北に長い日本列島の中で、気候に適応しながら地方分化が進んだ。
◯九州地方:晩生種で耐暑性が強い長ナス。
◯東北地方:卵形の極早生種。
◯京都:加茂ナス 肉質がきめ細かい。
◯大阪:果汁が多く甘みに富む、水ナス。
現在、主要な品種は一代雑種が多い。
市販苗は、長卵形の「千両2号」が馴染み深い。
◯観賞用ナス:フォックスフェイス キツネナス ツノナス
CD曲:」「村祭り」(東京混声合唱団)
(3)「茄子」にまつわる諺いろいろ
◯「一富士二鷹三茄子(なすび)」
初夢の吉兆とされるのは、江戸時代にナスは徳川家居城の駿河国の代表的な促成栽培野菜であったため。
◯「親の意見とナスビの花は、千に一つの無駄もない」
ナスは徒花がなく、よく結実する。
若採りすることが望ましい。
◯「秋茄子は嫁に食わすな」2説あり。
美味しいから…。アクが強く、体に障るから…。
◯「精霊馬」:ご先祖様、牛に乗ってゆっくりゆっくり天国へ帰ってください。
(4)ナスの紫色は、紫外線対策
「夏休み子ども電話相談」で、ナスの花の紫色が話題になりました。
回答者の先生は、葉の筋(葉脈)も紫色で、アントシアニン色素が紫外線対策であることを説明しました。
独特な、ナスの紫色を「茄子紺(なすこん)」と呼びます。
暗い紫色、紺色の派生色で、江戸時代に生まれた。
英語の色名に、egg plant がある。
(5)ビタミンの少ない野菜
栄養学的には残念だが、米食との相性がよく、漬物、煮物、焼きナス、油料理など、需要が多い。
◯信州の郷土食、「おやき」
なつかしくって、おいしい、ふるさとのあじ(スーパーちらし)
他県民からは不思議がられるほど、熱愛されている食べ物。
お盆で、長野の母の実家へ行くと、必ず食べた「丸茄子のおやき」。
今は亡き母、祖父母を偲んで、今も作る男の料理。
(6)茄子・なすび(晩夏)、茄子の馬(初秋)
右の手に鋏左に茄子三つ(今井つる女)
もぎたての茄子の紺や籠に満てり(星野立子
採る茄子の手籠にきゅァとなきにけり(飯田蛇笏)
さて、9月には何を話そうか…。
軒先の月下美人、今年2度目の花芽を着けていました。

花芽(蕾)に近寄って観ました。

これから、開花までの様子を観察し、9月の放送ができればいいなと考えています。