九月九日、「重陽の節句」。日照無し、午後1時17.2度肌寒い一日

yatsugatake2005-10-11

中国の陰陽五行思想で、九月九日は九が二つ重なるので、重陽の吉日とされました。
この日を祝う行事を「重陽節句」と言うのです。またの名は、菊が咲き誇る候なので、菊の節句でもあります。なお、北京語では、「九」と「菊」の発音が似ているので、菊の花は九花とも呼ばれるそうです。
そこで、菊酒が出番です。佐久ではまだ大菊は蕾なので、すでに咲いている食用菊「からまつ種」をお酒に浮かべました。健康を祝して、ありがたくいただきました。菊の香りが気分を爽快にしてくれました。
古く中国においては、グミの枝を頭に挿して小高い所に登る風習があったそうです。唐代の詩人・王維は「九月九日、山東の兄弟を憶う」と題する七言絶句を吟じています。
昨日付け読売新聞のコラム「四季」(長谷川櫂)に、後半部分が紹介されていました。
遥かに知る 兄弟高きに登る処
遍くグミを挿して一人を少(か)くを 王維
王維は科挙の勉強中。今日は重陽節句、故郷の兄弟たちがグミの小枝を髪に挿し、山に登っている姿が目に浮かぶ。だけどそこに僕だけいない。十七歳のホームシックの詩。
肌寒い日、菊酒をいただきながら「登高」の風習を想うことは、味わい深いものです。