どんより曇り空、新聞を取りに玄関を出ると、ぽつりぽつりと降り始めました。
昨日、藍染めの体験をしたので、我が家の「アイタデ(藍蓼)」の様子を見ると、元気に花を咲かせていました。
今日は10月のFm放送日。画像は、今日のお話の植物、「アキグミ(秋茱萸)」の実です。よく熟れています。
放送の前に、おばあちゃんの家のものを撮りました。
枝分かれする節目に、実がびっしりと固まって着いています。
熟す前の「黄色の実」も見えます。
放送のタイトルは、銀葉と赤い実が美しい「アキグミ(秋茱萸)」です。
(1)親しまれていた、グミ科の落葉低木。
別名:カワラ(川原)グミ。方言、やまごみ、あきごみ など。
近年の利用法は、公園の生垣、道路法面の土留めなど。
英名:Japanese silverberry
(2)痩せ地にも育つ、緑化樹。
根に根粒菌が共生し、窒素の固定。砂防や治山の緑化樹。
北原白秋作詞:「砂山」(山田耕筰作曲、鮫島有美子)
3番の歌詞に注意!
かへろかへろよ 茱萸原わけて
(3)「砂山」の茱萸原は。作詞のエピソードは『白秋全集16』参照。
大正11年6月半ば、新潟の寄居浜を散策。
◯ 新潟海岸の植物に記載されている、アキグミ。
◯ 砂防、土留め用のグミは、アキグミのみ。
(4)全国各地に残る伝承(薬用、飼料など)
中国地方の方言、「アサドリ」、「アサドリ茶」「家畜の飼料」
民間薬:葉と樹皮を煎じて飲用。胃病。
根を日陰干し、煎じて飲用。風邪。
果実酒にして飲用。強壮。
材の利用:道具の柄。囲炉裏の自在鉤。
(5)季語は、「秋10月」 単に「グミ」は、「アキグミ」のこと。
いそ山や茱萸ひろふ子の袖袂 (白雄)
秋茱萸の海側ほむらして熟るる (加藤知世子)
今夜、「九月十四日」のお月さまは、あきらめました。