「ヒアシンス」が香りました。

「正月二十日」のお月さま。(23.2

就寝前に、「正月二十日」のお月さまを観ようと外に出ました。
二十日月は、その月の出時刻と、その形から印象的です。宮沢賢治作品、「烏の北斗七星」には、「〜その裂け目からあやしい長い腕がぶらさがり、その直後に青く歪んだ二十日の月が山の端から泣きながらのぼってくる…」と凄愴な場面があります。また、斉藤隆介の「もちもちの木」に、夜遅くに昇って灯りをともします。
写真を撮った時には、日付が替わっていました。(0:10)

早朝、6時には西空高く輝いていました。柿の枝と一緒に撮りました。
(6:05)
相変わらず、朝の冷え込みは相当なものです。(夕刊、佐久市6時の気温、氷点下4.9度

居間に下りてくると、芳香が漂ってきました。
ヒアシンス」だと、すぐに分かりました。
ヒアシンスは球根植物の代表、冬を越して春の香りを届けてくれます。
小学校の教材・水栽培でもお馴染みです。

宮沢賢治の詩にも、登場してきます。
この月明かりの網なのか
苗床いちめんやっぱり銀のアラベスク
ヒアシンスを埋めた畦が割れて(い)る
やっぱり底は暖いので
厩肥が減って落ち込んだのだ
ヒアシンスの根はけれども太いし短いから
折れたり切れたりしてないだろう。

細かな観察と、植物への思いやりに感心します。
先の花壇のヒアシンスは、まだ土の中です。花壇のヒアシンスが咲くときこそが、本当の春なのです。