Fm放送で、「クロモジ」を話しました。

yatsugatake2014-04-24

目覚めると、朝日が差し込みました。
日の出時刻は5:02(長野)、ひと頃よりずいぶん早まりました。
画像、玄海ツツジ」と「ロードデンドロン・吉野」の花々が、光に透けています。

空を見上げると、東からの日光を反射した「弥生二十五日」のお月さまがくっきりと見えています。(5:42)

アメダス、最低気温は氷点下0.2度(4:50)、よく晴れて「放射冷却」による冷え込みです。
野辺山は氷点下5.3度と、日本で一番の低温でした。
高台のリサーリパークから蓼科山など遠くの山も、はっきり見えました。

山の中腹に、臼田宇宙観測所のパラボラアンテナも見えます。今日は横向きですが…。

「ひろば」から見える「浅間山」も、黒々と初夏の装いです。

ぽかぽか陽気の中、子ども連れが話しながら、ヒアシンスの花を見ています。

4月のFm放送日で、佐久平駅に出かけました。
今日は、「樹皮が香る クロモジ」の話です。

(1)クスノキ科の落葉低木
山野に普通に自生します。
近年は、庭木や公園樹として植栽されます。
樹皮に芳香があり、良い香りがします。
材は香気をもち、和菓子の爪楊枝や箸を製します。
花は淡黄色の小花で、蝋細工のような艶があります。
(2)名の由来は、「黒楊枝」から…。
湯浅浩史:『花おりおり』、『花の文化誌』参照
古くは、先を穂のように砕いた総楊枝(ふさようじ)にし、
歯を掃除したり、お歯黒液を塗ったりした。
黒木の楊枝の意味から黒楊枝と称したり、黒く染まった黒楊枝から、
「黒もじ」と呼ばれた。(女房言葉)(もじことば)
落葉低木、「クロモジ」の名は、黒楊枝を作る木が由来で、
楊枝を、「クロモジ」の木で作るからではない。
CD曲:「野に咲く花のように」(ダ・カーポ
(3)賢治作品に数多く登場。
マグノリアの木:「くろもじはかすかな匂を霧に送り」
◯なめとこ山の熊:くろもぢの木の匂が月のあかりといっしょにすうっとさした」
◯税務署長の冒険:最後の場面について、那珂川裕次郎:「宮沢賢治と裁判の話」に…。
名誉村長が逮捕される直前、警察と一緒に踏み込んで来た部下に一人が「この方は」と聞くと、
税務署長は「名誉村長だ、けれども仕方ない縄をかけ申せ」と言っています。
〜署長と名誉村長の二人が空を見上げ、「くろもじのにほひが風にふうっと漂って来た」のに対し、「あゝいいだな」と署長が言い、「いい匂ですな」と名誉村長が応えています。
これは儀礼的な挨拶だったのでしょうか。このラストシーンの謎に迫ってみましょう。〜
二人の短い会話は、税収官吏と農民との超え難い溝、複雑かつ困難な農民・農村の社会問題をかかえる双方の象徴が、一瞬職務を離れ同じ人間として春のいい香りを満喫したのでしょう。
(4)「楊枝」のほか、効用いろいろ。
◯ネソ(ねじっ粗朶)材、輪かんじき用材に
◯香水や生薬、民間薬に
樹皮や根に含まれる精油やアルコールが、芳香と殺菌力う有するので、香水や生薬とする。
香水、石けん、化粧品に
樹皮は、脚気などに煎よう、粉末は止血薬、抜け毛防止剤。入浴剤。
生薬:枝は「烏樟」、「薬用酒」の効能書きに、体を温め、健胃の効能で胃腸の働きを整える。
アメダス、最高気温は19.8度(15:20)。
霜予報と乾燥注意報。気温は明日も初夏並みに、午後はにわか雨も…。
とにかく、お湿りが欲しいです。