韮崎で出会った木々たち。

韮崎の「サザンカ(山茶花)」、真っ盛

ラジオから、「もういくつ寝るとお正月…」の歌が流れ、残りの日数を惜しむお便りばかり…。
少なくなったトイレペーパーがくるくる、スピード回転…。
気象情報によると、冬型の天気分布で、日本海側・長野県北部は大雪になっています。
内陸の佐久地方は、雲がある割には最低気温、氷点下7度(2:20)と冷え込みました。
日中は、寒風が吹き荒ぶと思われます。
韮崎大村美術館、館長・大村智先生の著書『人生に美を添えて』に目を通しました。

一昨日、韮崎大村美術館を訪れた際、寒冷の佐久では見かけない珍しい木々に出会いました。
庭木や生け垣・サザンカ山茶花)」の花が真っ盛り…。
「美術館」の隣、「そば処」と「温泉」の駐車場付近の植え込みの、「シュロ(棕櫚)」、「キョウチクトウ夾竹桃)」、「クロガネモチ(鉄黐)」などは、寒冷地では見られない樹種です。
標高を尋ねると400メートルほど、佐久地方の7〜800メートルよりずいぶん低く、温度が高いためと思われました。
もう1種の樹木は手元で観るのは初めて…、葉を落とした木、その全体に白っぽい実が鈴なり…。
その名は、「アフチ・オオチ(楝・樗)」と確信します。

道中、車窓からも、白っぽい実が鈴なりでよく目立つ木を、二三箇所で見かけました。
近くの方に尋ねても、名前は知らず、植えた記憶は無い…とのことでした。
数年前のこと、ギリシャの道路わきや古代遺跡で見かけ、印象的に覚えています。
以前、伊那市在住の知人から、鈴なりの実を描いた葉書きで、その名を問われたことがあります。
近寄って観ると、径1センチほどの球形の実です。

アフチの花は、初夏に薄紫色の小さな花です。
数年前に、彦根城の入り口付近で、初めて目にしました。
ご存知、「夏は来ぬ」の4番で、「おおち散る川辺の宿の…」と歌われます。
国語・古語辞典などには、「せんだん(栴檀)」の古名で出ています。
ただし、香木の栴檀とは別種(当て字)です。
鈴なりの実が千の団子に見えることから…「千団(せんだん)」?
実の皮を剥ぐと、縦縞のある硬い種子が現れました。

繁殖は実生ということなので、試しに種子を播いてみます。
万葉集』に、4首載っています。
花の時期に、また訪れたいと思っています。
今夜、霜月十九日」のお月さまです。