「佐久の季節便り」、「岩村田城址」の崖で、「サイカチ(皀莢・西海子)」の豆果に出会う。

早朝4時半、昨夜・十六日のお月さまが、頭の天辺から照っています。

昨朝は濃霧で、月の輪郭が見えなかったことを思うと、日替わりのお天気が実感されます。

なお、昨日の夕刊には、「5月並み陽気、スーパームーンの朝 松本」の見出しが…。

掲載写真の説明、松本駅前から望むスーパームーン=20日午前5時10分

昨朝の同じ時間帯に、佐久市松本市の空模様がこんなにも違うのかと、びっくりしました。

今朝はすっきり晴れて、アメダス最低気温は0.0度(6:14)、冷え込みは緩みました。

風はありますが、春風の感じで冷たく感じません。

お昼ごろ、久しぶりに野良回りしました。

用水の改修工事・U字溝設置の完成間近に…、排水溝の大土手も、いくらか低くなりました。

あと一ヶ月もすれば、農作業の始まりです。

 

帰途に、岩村田城址」の東側の崖に寄り道してみました。

「城と関わりがあるかも知れない…」興味ある樹木の「サイカチ(皀莢)」…。

以前に、茶色の大きく歪んだ、特徴的な豆果が落ちていた場所に行って見たのです。

ラッキー、常木用水の向こう側・崖に、実の生ったサイカチの木を見つけました。

写真には撮れましたが、藪に覆われた急な崖で、歩いては近づけません。

お手伝いをいただきながら、長柄の剪定ばさみで、採取に挑戦します。

 

『佐久地方の地名の語源』、小字名に「サイカチ」、「サイカチの久保」があり、

昔は、群生地が在ったことは確かです。

岩村田城址・北側の崖に、今も大木が在り、また、以前に小諸城址の下にも大木が在り、豆果を拾った記憶があります。

宮沢賢治の童話に「さいかち淵」があり、「風の又三郎」の初期形です。

賢治の時代には、豊沢川の「さいかち淵」は水遊びのメッカっであったとか…。

川岸に在るということは、護岸の役目もあったのでしょうか。

かつては、ほかに若葉の食用、薬用、石鹸の代用、材など、サイカチの効用もありました。

そして、城址の崖に在るということは、敵から城の防御…、昔を偲ぶロマンです。

語呂合わせの「再勝ち」も、何やら戦国時代の戦に関係がありそう…。

佐久市志・自然編』の索引には、「サイカチ」は見当たりません。

『皇居の植物』には、ありました。

 

岩村田の今昔』(岩崎長思)に、興味深い記載が…。

〜次に徳川初期建築の用材には何の木を用いたか。

『四隣譚藪( たんそう)』によれば古くは木曽に松材の少ないように佐久でも松木は墓木位のもので、建築には檜を用いたらしいと佐久の樹相について次のように書いてある。

十二、「此辺サイカシノ木多し、戦国に用る事ありや、此木益うすしとて近年すくなし」。

 

我が家には、鉢植えのサイカを育てています。

以前に、賢治学会のセミナーで、花巻市・さいかち淵を訪れた際に、近所に住む多田さんが播いて育てた実生苗をいただいたものです。

花や実が観られるには、後、何年かかる…?

見かけることが少なくなった「サイカチ」ですが、「絶滅危惧種」にはしたくないです。

 

今夜も雲が広がり、月の出は観られませんました。

アメダス、最高気温は8.4度(14:17)、明日も暖かくなりそうです。