佐久に今も残る、「案山子揚げ」の行事。

掘り上げた「ミソハギ(禊萩)」の株。

いよいよ冬将軍・冬型の季節風が到来する頃になりました。
アメダス、最低気温は2.5度(5:40)、日中も気温は上がらない予報です。
浅間山頂上付近は、すっぽり「雪雲(ゆきぐも)」に覆われています。

今日は、「賢治を読む会・11月例会」です。
我が家の「景観保全作物水田」で、紹介する草木の標本と、所望された「ミソハギ(禊萩)」の株を、採りました。
ペットボトルに挿した、「アキグミ(秋茱萸)」の実、「アワコガネギク(泡黄金菊)」、「ノジギク(野路菊)」の花、返り咲きの「カワラナデシコ(川原撫子)」、それに、珍しく土手に自生していた、「ツリガネニンジン(釣鐘人参)」の花です。

賢治を読む会・11月例会は、いつものように、宮沢賢治が生前に出版した唯一の童話集・『注文の多い料理店』・その序文を確かめ合いました。
〜ほんたうに、かしはばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかつたり、十一月の山の風のなかに、ふるへながら立つたりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。〜
また、先日の図書館講座「君の名は。」新海 誠監督の講演会 を話題にしました。
翌日の新聞記事を紹介しました。〜また、「物語とは自分が知らない世界に出かけて現実に戻ること。映画で主人公はそれを反復して成長している」と、読書と作品世界の共通点を語り、本を読む楽しさをアピールした。〜
 実際に映画を観た、会の参加者からは、若い人との世代間ギャップを感じながらも、刺激を受けたことも事実…、とのことでした。
改めてもう一度観たいということに、高齢な私も正直、同調します。
 いつもの暦の話では、二十四節気立冬」、初候:山茶始開(つばきはじめてひらく)
参会者が、ちょうど、ツバキ科の低木・「チャノキ(茶の木)」の花を持参し紹介しました。
 それと、本日、旧暦十月十日は、「十日夜(とおかんや)」です。
「十日夜、十日夜、十日夜の藁鉄砲、夕食食ったら、ぶっ叩け…」
子どもの頃の懐かしい行事です。
広辞苑』などに、十月十日の夜、東日本で、この日、刈入れが終わって田の神が山へ帰るとして祭る、西日本の亥子(いのこ)とともに重要な農村行事。また、子どもが集団で各家を訪れ、モグラの害を除去しようと、藁鉄砲などで、地面をたたいて歩くなど、土地ごとの特徴が見られる。と、あります。
 近年は、大人の都合で月遅れの日曜日の昼間に、子どもを集めて藁鉄砲を打ち鳴らす…集落が、ごくわずかにあります。
 というわけで、昔の「十日夜」とは、似ても似つかぬ有様です。
 こんな話をしたら、農家の参会者から「案山子揚げ」行事を、家では今でもやっているとの発表があり、初耳でした。
 秋の取り入れが終わり、収穫への感謝のお祭りで、稲架(はぜ)棒に案山子を立てかけ、お餅や大根を供えるのだそうです。
 『日本語大辞典』の「案山子揚げ」を引用します。
 長野県地方で、陰暦十月に行う稲の収穫祭。田から案山子を引きあげて、外庭や土蔵などの清浄なところにまつる。
 このような祭り・行事は、コンバインの時代になっても、田んぼのお世話になっている以上は、後世まで伝えていきたいと思うのですが…。
 輪読のテキストは、「二十六夜」初日・三分の一を読みました。
 続いて、12月、来年の1月に読む予定です。
 午後は、アメリカ大統領選挙」の開票結果・テレビ画面に釘付けとなりました。
 トランプ氏の保護主義アメリカン・ドリーム、その影響が心配されるな…。
 日暮れが早く、夕方5時を回ると暗くなりました。
「十日夜(とおかんや)」の月明かりが、辺りを照らしました。(17:26)

アメダス、最高気温は6.9度(13:40)でした。