「佐久の季節便り」、国の天然記念物・「岩村田ヒカリゴケ産地」が指定されるまで…。

涼しい朝が続きます。

秋の虫の音も、心無し静かになったように感じます。

アメダス、最低気温は13.6度(5:59)、今日は、日照がほとんど無い予報です。

 

昨日の読売新聞 編集手帳 一部を引用します。

彼岸花が咲き始めた、という各地からの便りに心が和む。曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、つまり天界に咲く花という別名を知る方も多いだろう。秋の花を待ち侘びたのは、暑すぎた夏がやっと終わるからに他ならない◆彼岸花は気温が20度ぐらいに下がると突然現れ、赤い花を咲かせる。桜と同じく、花の後に葉が育つ。ほとんどの植物が枯れている時期に、誰にも邪魔されることなく光合成を行い、栄養を蓄えるそうだ(『すごい植物最強図鑑』(中央公論新社)◆夏は休眠してやり過ごし、空気が冷えてから動き出す。この地球温暖化の時代にぴったりの生存戦略かも知れない〜(以下略)

本日の読売新聞 編集手帳 一部を引用します。

案山子(かかし)の起源は「嗅(か)がし」という。民俗学者柳田國男は、人間の髪の毛を燃やし、その臭いで獣を追い払ったと書いている◆竹串に切り落とした髪を挟み、火をつけた。シカやイノシシに効果はあったものの、鳥よけにはならない。そこで、人の形をした案山子が田畑に立つようになったという。(『年中行事覚書』講談社学術文庫)(以下略)

 

朝ドラ「らんまん」、子どもらが摘み取った野草を手に、万太郎にその名を聞いています。

近年、このようなシーンは皆無、寂しいですね。

「らんまんブーム」をきっかけに、全国各地で動きがあるようです。

それも、都会が多く、自然豊富な地方では見られないのが残念です。

子どもより保護者による、清潔意識や自然保護の理屈からか?

「押し葉」「押し花」の活動から、植物に親しむきっかけにしたらどうか…。

UEVC(上ノ城環境ボランティアクラブ)の活動日岩村田城址・大土手の枝払いなどの作業をしました。

作業終了のミーティングで、岩村田ヒカリゴケ産地」について、メンバーの共通理解を図りました。

大正10年3月3日 「国の天然記念物に指定

明治43年 旧制・野澤中生徒 洞穴内に「光る土」

 → 博物教師・小山海太郎 → 東京大学教授・三好 学 

◯三好学・理学博士 研究から指定まで

(戸隠地質化石博物館 中村千賀 研究員 提供)

(雑誌投稿論文)ひかりごけノ培養 植物学雑誌第二十六巻 大正元年九月二十日 

(内容、一部記載)
〜ドイツでは、天然記念物として採集を禁じている。我が国でも、この蘚を産することを知ったので、天然記念物として、完全に保護したいものである。

 

(別資料論文)第六章 植物と日光 葉の強光を避ける方法 

ひかりごけノ絲状体ノ細胞ガ日光射来ノ方向ニ対シ、葉緑体ノ位置ヲ変化セシムル状ヲ示ス

◯みよしまなぶ(三好学)『広辞苑』 植物学者、美濃(岐阜県岩村藩出身、東大教授。

学士院会員。〜植物生態学を生理学から分離、また、天然記念物の保存に尽力。

小山海太郎氏から、現地の蘚の標本の提供を何度か受け実験観察するとともに、岩村田の現地洞穴に、二度も訪れ、観察・実験研究を積んだ。

このように、天然記念物指定までに、10年以上も要したことを、認識すべきである。

 

天然記念物ひかりごけ 小渕武一 岩村田町誌編纂会報 第七号(昭和二十八年十一月発行) (一部記載)

〜現在、荒廃せる彼の地を守り、学術上の研究資料としても、また一般教育上の参考資料としても保存すべき義務があある。 参考文献 岩波講座「生物学」

 

◎ 日本・長野県・佐久市の誇り・宝物 しっかり後世まで伝えよう!!

 牧野富太郎は、よく「誇り」という言葉を植物に用いた。牧野富太郎の植物学』(田中伸幸) 

 佐久市教育委員会 文化振興課文化財

 岩村田ヒカリゴケ管理委員会・UEVC(上ノ城環境ボランティアクラブ)

 退公連・北佐久支部 

 

「ひろば・賢治ガーデン」へは、午後に出かけました。

補植した「タイム」と、定植した「浅間風露」に水やり…。

「萩(はぎ)」の花と、株元・叢生の様子を、観察・撮影してきました。

以上の観察は、9月・Fm放送のネタにする予定です。

 

アメダス、最高気温は25.6度(15:38).日照が少ないが、「夏日」になりました。