霧雨煙る中の、地域研修会でした。

「龍岡城・五稜郭」堀の「コウホネ(河

6時のアラームで目覚め外を見ると、意外にも空は明るいです。久しぶりにJR小海線の乗客になって、集合場所の臼田に向かいました。集合場所には参加者が勢ぞろい…。台風12号のため実施が心配された地域研修会でしたが皆やる気十分、計画通りの実施となりました。
画像、最初の見学地、龍岡城五稜郭」お堀を埋め尽くす「コウホネ(河骨)」です。黄色い花も、ちらほら残っていました。
地域のボランティアガイドさんから、要領を得た説明をいただきました。往時のままの建物・「お台所」の中も見学し、田野口藩の様子を垣間見ることができました。


大手門入り口に建つ、殿様・大給恒(おぎゅうゆずる)の胸像です。
『ブリタニカ国際大百科事典』から一部を引用します。
江戸時代末期、〜信濃田野口に移封。〜若年寄から老中格に登用され、陸軍奉行、陸軍総裁となる。〜幕府倒壊後は新政府に出仕し、明治2年に龍岡藩知事。〜1878年賞勲局副総裁となり、次いで総裁となって勲章の造形などに貢献した。なお、佐野常民と、日本赤十字社の前身、博愛社を興した。
郷土、佐久市の誇れる偉大な人物です。



次いで、すぐ近くの「佐久市川村吾蔵記念館」に向かいました。主にアメリカで活躍した、佐久市出身の彫刻家・川村吾蔵の作品を展示しています。昨年に開館したものですが、個人的には4度目の入館です。今回は館長さんの説明によって、偉大な人物の業績の理解が深まりました。

入場券に「牛」が描かれ、彼は、「牛の吾蔵」と呼ばれます。「完全なる 理想的体型乳牛模型」について、パンフレットから一部を引用します。
ヨーロッパからアメリカに酪農が輸入されて100年。なんとか乳牛の生産性を向上させたい、と考えた牧場主たちは、目指すべきスタンダードを決めることにしました。スタンダードを決定し、形にし、アメリカ中の酪農関係者に伝える、という一大プロジェクトの最も重要な部分を任されたのが、吾蔵でした。
他に、島崎藤村野口英世博士、マッカーサー元帥などの肖像彫刻作品もあり、その業績の大きさには驚きます。この記念館が、彼の作品を鑑賞し知名度を上げる役割を果たしてほしいと、願っています。
次いで、八千穂高原の自然園に向かいました。山道を登ると、ちらほらと停められた車、数台…。キノコ採りに来た人々かと想われました。

「自然園」に降り立ち、小雨が煙っているので傘をさして散策を始めました。
「シラカバ(白樺)が群生する林、「ベニバナイチヤクソウ」の群生で有名な八千穂高原です。花も少なく、紅葉には早い端境期でもありますが、雨に濡れた草木とは、日頃とはひと味違った、新鮮な出逢いとなりました。
入園して間もなく、白樺林に「ムシカリ(虫狩)」・別名「オオカメノキ(大亀の木)」の赤い実がアクセントになり、美しい光景でした。


出会った草木の一部を、順序不同、記憶をたどって記します。

リョウブ(令法)、ノリウツギ(糊空木)、ミズナラ水楢)、トウゴクミツバツツジ(東国三つ葉躑躅)、ヤグルマソウ(矢車草)・ゴハ(五葉)、マルバダケブキ、アキノキリンソウノコンギク(野紺菊)、フシグロセンノウ(節黒仙翁)、ヤマトリカブト山鳥兜)、ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草)、ママコナ(飯小菜)、クリンソウ九輪草)、ハンゴンソウ(反魂草)、コメツガ(米栂)、ハウチワカエデ(葉団扇楓)、カツラ(桂)、アカマツ(赤松)、ハナイカリ(花碇)、ヤマハハコ(山母子)、ヤマホタルブクロ(山蛍袋)、アケボノソウ(曙草)、ゴマナ(胡麻菜)、ヤマシャクヤク(山芍薬)、ヒョウタンボク(瓢箪木)、オヤマノリンドウ(御山の竜胆)、…。
 
 
アケボノソウはリンドウ科、花びらの斑点が興味深いものでした。
また時期をずらして訪れ、花を楽しみたいもの、紅葉を楽しみたいものなど、たくさんありました。

「シラカバ」はイオニアプランツの代表格…、寿命は長くはありません。役目を終えた白樺の丸太があちこちに置かれていました。
幹の途中で真っ二つに折れて、前にずれて、ほかの木に凭れかかっている木…。
中には、茸に取り付かれた立ち木もありました。
これが自然というものです。

標高が高く、亜高山帯に属するのか…、地衣類に取り付かれた木もありました。

途中、激しい滝の流れを遡るイワナの魚影…。
茸(きのこ)方言、「りこぼー」の名で親しまれている、「イグチ」の仲間…。秋近しを実感しました。
自然は素晴らしい、紅葉の時期にまた訪れたいなー。時の経つのも忘れて…自然を堪能しました。
里に下りて少々遅い昼食・懇親会…、坪庭に、ヤマシャクヤクの鮮やかな実が…。賑やかに盛り上がり…、楽しい地域研修会でした。